子宮体がんとは

子宮体がん

子宮体がんは、子宮内膜に発生することが大半であることから子宮内膜がんとも呼ばれています。更年期世代(45~55歳)でもある40代後半の世代から患者数が増加し、閉経を迎えた50~60代の女性患者様が多いと言われています。

同疾患は、女性ホルモンの一種エストロゲンが関係しているとされ、食生活の欧米化、不妊症、出産経験が少ない方、糖尿病、高血圧、喫煙、肥満、月経不順、子宮体癌・大腸がんの家族歴などがリスク要因として挙げられています。

症状は、不正性器出血が多く、進行すると下腹部痛などが現れることもあります。とくに閉経後に出血の症状が出たという場合は要注意です。子宮頸がん検診の際に、過去6か月以内に不正性器出血や褐色帯下があった場合は子宮体がん検診と経腟超音波検査の同時検査をご相談ください。

子宮体がん検査について

検査内容については、問診、内診、子宮内膜細胞診になります。問診や内診については、子宮頸がん検診とほぼ同じです。子宮内膜細胞診では、子宮内部に細い棒にブラシがついた器具を挿入し、こするように子宮内膜の細胞を一部採取して顕微鏡の検査を行います。結果は約2週間程度かかります。

子宮内膜細胞診の結果、陽性や疑陽性の場合は、子宮体癌や子宮内膜増殖症(子宮体癌の前がん状態)の疑いがあるため、詳細な検査として子宮内膜組織診を行っていきます。子宮内膜組織診は、子宮内膜細胞診よりやや太い器具で子宮内膜の組織を吸引(または掻爬)で採取し、顕微鏡で検査します。結果は約2週間程度かかります。結果で、子宮内膜増殖症の場合は、経過観察やホルモン療法を行います。異型のある子宮内膜増殖や子宮体癌の場合は手術などの治療が必要なため、治療に適した施設への紹介を行います。

子宮内膜の細胞や組織の検査では、性交経験のない方や出産経験のない方は採取器具が挿入できなかったり、採取時に痛みを感じたりすることもあります。器具が入らない方や痛みに弱い方は、麻酔下での検査や別の代用となる画像検査を相談します。